唯一の友達にドタキャンされた話

唯一の友達は専門3年生

僕は21歳ニート

彼とは中学2年のクラス替えの際に名前順で隣の席だったので仲良くなった

彼は当時から馬鹿みたいに明るい奴だった

僕も当時はまだまだ明るかった

そして彼以外にも沢山友達がいた

部活は僕が卓球で彼がバスケ部

同じ体育館で練習していたので休憩中よく話したり部活後に一緒に帰ったりして遊ぶようにもなった

高校は僕は地元で彼は市街地の高校に進学した

当時はスマホが流行りだした頃だが僕はガラケーすら持っていなかった

そんな事もあり小中と一緒だった友達とは高校進学以降連絡を取れなかったので会わなくなった

もちろん彼とも

がしかし僕も高校で新しい友人が2.3人出来たので悲しくもあったが余り気にしていなかった

そして高1の5月にやっとガラケーを買ってもらった

しかし周りはすでに皆スマホだった

クラスでは皆パズドラなんてものに夢中だったがガラケーの僕は内容も知らないので会話にも入れずただただ指をくわえジーっと見ていた

そのうち自分がとても惨めに思えて寝たり寝たふりをするようになった

ここから段々孤立するようになってしまった

学年集会等の集まり事でもザワついてる際に皆パズドラの話をしていたが僕は下を向き体育座りをして黙っていた

僕には隣のクラスに好きな子がいた

少し低めな身長切れ長の目育ちの良さそうな制服の着崩し方乳首が綺麗なピンク色してそうな顔パイパンまんこ確実の甘いvoice

全てが好きだった

僕が寝たふりしている教室の前の廊下を彼女が通る度集まり事で彼女のクラスの隣の列に並ぶ度に一人ぼっちの俺はどう思われているのだろうと考えた

「孤独ね」「可哀想な人」「ぼっち」「コミュ障かな?」「暗そう」「意外とイケメン」「そのうち死にそう」「生きてて楽しいのかな?」「付き合いたい」「友達いないのかな?」「気持ち悪いわ」「高校生にもなって協調性が無いとか脳の一部に欠陥があるとしか思えないわ」「彼女とかいるのかなぁ…いなければ私が…」

こんな風に思われていたと思う

思いが募れば募るほどその子の事を勝手に気にして今の惨めな自分を見られたくないと思い込んでしまっていた 

そのうち好きな子だけでなくクラスメイトになんと思われているのだろうかとなり完全に人目が怖くなっていた

そしていつの間にか根暗になり極度の人見知りイケメンになってしまった

ストレスも増え高校1年生の秋頃に円盤ハゲが出来そのうちおでこが徐々に広くなり全体的にも薄くなり日本一の人見知りになった

僕は泣きたい気持ちでいっぱいだった

なんで俺が…いつも運が悪い…もう死にたい

そう言う声に出せない辛い思いから家族が寝静まった真夜中にままチャリで徘徊して奇声をあげて回った

「うおおおおおおおおおお!」「ああああああああああああああああ!」「糞がああああああああああ!」「ぴぎゃああああああああああああ!」

ストレスは何となく解消された感じはあったが寝不足で学校では一日中寝ていた

そのうち学校に行くのも面倒臭くなりお昼から登校したり親に内緒で勝手に電話して風邪や身内の不幸など嘘をついて休みがちになった

だが家にいるのも暇なのでニット帽を被りマスクをして外出していた

そんな時出会ったのがタロだ

その日も学校をサボり母校である小学校の真裏の公園で遊んでいた

その公園は滑り台の下がドーム型になっており隠れるのか雨宿りするのか知らんが変わっていて昔から人気だった

砂遊びに飽きたので滑り台で遊ぼうとした時滑り台の下に動く影が見えた

それがタロだったのだ

タロも俺と同じような境遇で孤独だった

俺とタロは直ぐに仲良くなった

そして毎日に学校をサボりそこでタロと落ち合い馬鹿をやっていた

この頃には親にも学校に行ってない事がバレていて学校まで送り迎えになってしまった

がしかし俺はタロに会いたい一心で出席を取った後に毎日バックレた

高校から公園までは帰路の2倍はあり毎日歩いて公園まで通った 

が少しも辛くなかった

唯一の理解者タロがいるのだから

冬と言う事もあり外はものすごく寒かった為タロの事を思いネットで注文していたタロの服を片手に公園まで歩いていた

その日は特に冷え込んでいた

俺も温まろうと思い公園の入り口でコーンポタージュを買った

凍った手でコロコロと回しながらタロがいつもいる滑り台の下に行くとタロがいなかった

その日はいくら探しても呼んでもタロはいなかった

考えすぎかも知れんがタロに何かあったのでは?と気が気じゃなかった

その日は公園で野宿をした

滑り台ドームの中に少し湿った落ち葉を敷き詰めトイレのゴミ箱として使われていた段ボールを中のゴミをその辺にばら蒔きシーツや掛け布団変わりにと空の段ボールを手で一面一面切り取った

ついでに用を足そうと思い薄暗い中ガラケーの明かりを頼りに奥に進むとタロが倒れていた

俺は座り込み長い間手を合わせた

寝る前にドラッグストアまで歩いて行った

寒くてもよく眠れるように薬を買った

また公園に歩いて帰った

タロをドームまで抱えていった

沢山の落ち葉や段ボールで作った簡易的なベッドはタロに譲った

俺は隣の冷えたコンクリートの上に横になった

そのうち薬の効果が出て来て段々と眠くなっていった

突然肩を揺すられて目が覚めた

目を開くと目の前にしょぼくれた顔をした老夫婦が立っていた

心配そうな顔つきで何か言っていたが聞こえなかった

死ねなかった

その時俺は涙を流していた

この涙には色んな思いがあった

だが多分「こんな見ず知らずの俺の事を心配してくれる人がいるのか」的な事を思った時に流れ始めた

タロの死体は無くなっていた

今思えば不思議だがあの時眠りから覚めたものの頭が全く回らなかった

そして目が覚めると両親が泣いていた

普段余り話さない父親に強く抱きしめられた

口が重くて開かなかった

腕もあげられなかった

体の全ての感覚がなかった

特に何とも思わなかった

父親に抱きしめられながらただ真っ直ぐに向かいの病人を見ていた

そのうち大量の虫が見え始めた

そして目が覚めると薄暗い部屋にいた

祖母が隣で子供のように大泣きしていた

妹は無関心な様子で片手をポケットに突っ込みスマホをいじっていた

両親が俺の左手を強く握っていた

白い白衣を着たおじさんもいた

そして目が覚めると明るい部屋にいた

そして隣には母親がいた

やはり泣いていた

重い口をなんとか開き途切れ途切れに「タロ」と言った

母親は「なに?なんていったの?」と聞き返す

そして目が覚めると薄暗い部屋にいた

そして仕事着を着た父親がいた

両親が左手を強く握っていた

妹もいたが無関心な様子でスマホをいじっていた

ただ真っ直ぐに向かいの病人を見ていた

父親に「覚えてる?お前はしちゃいけない事をしたんだよ」と言われた

俺は小便を漏らした

幸いオムツを履いていたのでなんて事無かった

起き上がろうとすると両親に押さえつけられた

普段だったら押し退けるが力が入らず押さえられなくても起き上がれなかったと思う

ひたすら天井を見上げていると視界に父親が入ってきた

「覚えてる?」と聞いてきたのでコクりと首をちいさく縦にふった

それを聞いた父親は涙ぐんでいた

母親も視界に入ってきて泣きながら「辛かったね」と言い俺の頭を撫で始めた

2週間後退院した

その足で母親と見ず知らずの老夫婦の家にお礼を言いに行った

おじいさんは仕事でいなかったらしく母親と二人でおばあさんに何度も何度も頭を下げた

 タロの事を聞くとこの老夫婦が近くの動物霊園で沢山の友達と同じ墓にいれてくれたらしい

そしてまた母親と共に泣きながら何度も頭を下げた

それからは真面目に高校に通い

無事卒業してニートになった

タロ、今頃なにしてんのかなぁ

 

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